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軽自動車耐久レース 参戦記
20003年 11月 2日(日)〜3日(祝)  スポーツランド信州
KCOCシリーズ 第7戦(最終戦)
12時間耐久レース 
2003年のKCOCシリーズも最終戦の7戦となりました。
しかも、今回はいままでの2倍の時間を走る12時間耐久レースです。
「12耐こそ、本当の耐久レースだ。」とスポーツランド信州の町田社長がおっしゃられるほど、「耐久レースとは・・・・」の要素が多く感じられた一戦でした。
今回のエントリー台数は、エキスパート6台・ビギナー6台の合計12台。今シーズン中最も参加台数の少ないレースとなりました。
が、エントリーしてきたチームはいずれも参戦経験の豊富な強豪チーム。TeamAGOBACは、田口さん以外は夜間走行初体験者ばかり、レース前のミーティングから話題はレースのことばかりでした。
以下、レポートをおおくりします。

今回は真面目に作戦会議
夕暮れ迫る、わしば山荘の駐車場。
今回から参加の井口さんも交えて作戦会議。
そして、フル参戦をしてきた今年をいろいろ振り返り、皆勤賞の田口さん、にっぽ監督は想いもひとしお・・・。
この後10時間後にスタートする12時間の戦いを想い、いろいろ語り合いました。

(今回は宿泊できないので、早くからちょっと飲んでレースまでに酔いを醒まさねばなりません。早くからの前夜ミーティングになりました。飲酒運転厳禁ですから。)

一同、この後近くの湯楽里館で温泉にはいって英気を養いました。
今回助っ人に加わったつよーい味方。
お借りしてきた強力発電機です!
前回紹介した、井口さんの発電機と一緒に今回の夜間レースをバックアップします。

TeamAGOBAC、なんか金持ちチームみたい・・・・・・。
そして夜は更け、風呂にも入り、レース場へ。
真夜中のパドック。
参加も12台ということで、闇のなかでさらにいつもより閑散としたパドックになりました。1チームで広々と使えて嬉しいんですが。

各チームでテントを張って、照明も点けて、夜に走る12時間耐久ならではの光景です。
AGOBAC VIVIO 新1号車(旧2号車、笠間VIVIO)
12時間耐久レース仕様

後ろは、今回テントや発電機を持ち込んで豪華装備のピット。

今回は練習走行も参加して、夜間走行の準備。
マシンの最終チェックに余念がありません。
いままでのリタイヤ原因のトラブルなども反省してチーム全員で車全体に気を配ります。
開会式とドライバーズミーティング。

闇の中での独特の雰囲気がいいです。
みんな12時間先のゴールをそれぞれに想っているのでしょう。

4月に始まった2003年シリーズ。
夜空にはいつのまにか冬の星座オリオンが高く上がるようになっていました。
そして、富士重工のシンボルマーク「スバル」が夜空で見守る中、AGOBACのVIVIOも12時間先のゴールを目指します。
12時間耐久レーススタート直前。
パドックで待機する第一ドライバーのにっぽ監督。
ここ数戦まともに走っていないので、満を持しての先発。
今回は12時間を
にっぽ監督→田口さん→井口さん→高井さん→管理人
の順番で1時間ずつ走ります。
この順番が後々のレースの行方に大きな影響をもたらしました。

スタートは12台中12番手。最後尾からのスタートです。
実はレース前の夕方からの前夜祭で「スタートは一番後ろから、コツコツ12時間を走りきる、なんてできたら・・・」と冗談で言っていた。
今回もクジでの出走順決めで、井口さんが引き当てました。
スタートラインに12台の車両が並びました。
一番うしろの黄色い大きな明かりがAGOBACの車のフォグの明かりです。
時刻は11月3日(祝)午前0時53分。
1周のオープニングラップの後、12時間耐久レースはスタートします。
いよいよレースがスタートしました! スタートのところは、動画でご提供します。
こちらをクリック


最期に通過する黄色い明かりがAGOBACの車です。
真っ暗でわかんねぇー(笑)。
パドック前を駆け抜ける、にっぽ監督ドライブの1号車。

車が来なければ真っ暗なんです。

*デジカメのシンクロ撮影なので、ヘッドライトがレーザービームみたいに写ってしまいます。
うわぁ・・・。目の前で・・・。


1時間目の25週目、ゼッケン53番のTJRTさんのアルトが、最終コーナーで自サイの後輪を内側の土手に引っ掛けて転倒!
AGOBACのパドックの目の前でした。
現場を照らすのは、私達のピット作業灯。

写真を撮らせていただいてしまいました。
(使用については、TJRT監督さまにご許可いただいてます)


にっぽ監督はこの車の少し離れて後ろを走っていました。
(にっぽ監督後日談「事故車の後ろ、再スタートの先頭ということで、昨年の最終戦に蒲谷さんがおなじ状況でコケたのを思い出していました・・・・・。だからヤバイと思っていました。」)
ヘッドライト、テールライト
って、プロジェクトXのエンディングが流れてきそうな雰囲気です。



レース再開後、ドライバーを田口さん→井口さん→高井さん→管理人と繋いでいきました。
慎重に慎重を重ねて、夜間の走行をなんとか乗り切りました。
管理人が走るうちに、空が少しずつ白みはじめてきました。

みんなで交代で休憩(仮眠)しながら、それぞれの出番を待ちました。
レースは夜が明け急展開!


夜が明けました。
にわかに雨が降り出しました。

レース展開は、管理人が仮眠を取っている間にとんでもないことになっていました。
ビギナークラスのトップを爆走していたゼッケン25番のトラブルメーカーさんが転倒。
同一周回で前を走っていたリーザ550さんがエンジントラブルでリタイア。
AGOBACはビギナークラスの2位に躍り出ました。
文字通りサバイバルレースなった12時間耐久レース。
ピットに緊張が走ります。
にわかに降り出した雨は徐々に激しくなってきました。
このとき走行していたのは井口さん。
学連戦で初めて軽自動車耐久に参加。
KCOCシリーズは今回初めてながらも堅く冷静な走りで周回を重ねていきます。

見守る各チーム。
雨はますます激しくなっていきました。
ええっ!?クラストップ!?


ビギナークラスは6台エントリー中残り2台
ところが、同一周回を走るチームABELLさんが、シケインで足回りをぶつけて左ロアアームを曲げてしまったのです。
痛恨のピットイン・・・・。
AGOBACはこれでクラストップに!

雨で滑りやすかったコース、ただシケインのコンクリートに当たっただけなのに・・・・・。
同じVIVIOを使うAGOBACにも緊張が走ります。

そして、ABELLさんの修理の間に周回は16周の差がつきました。
しかし、いままでマイナートラブルに泣いてきたAGOBAC。
ここまでノートラブルなのだが、まだまだレースは8時間目。

とんでもない状況で緊張に身をくねらせる、にっぽ監督。
井口さん冷静な走り
「風車の井口」健在なり!


監督指示で、一度井口さんをピットインさせ、状況を伝えた。
井口さんは走りながらも状況を把握していて、とても冷静。
心強いメンバーが加わったんだなと思いました。

順調に走行を重ねる井口さん。
「風車の井口」の異名をとるその華麗なハンドリングは健在というか復活!。
このあと高井さんへバトンタッチ。
ファイトォ!いっぱぁつ!



2回目の出走の前に、リポDをゴクリ。
気合を入れる高井さん。

チームABELLさんからポットのお湯のお礼にいただきました。
レースでは互いに争っているところなのですが、チーム同士は仲良く和気あいあいとしてます。
愛情こもってないからね・・・・
と、高井さんは奥様に言われたらしい・・・・。

AGOBACのパワーを支える、高井さん奥様お手製の愛情のこもったおでん。
ごちそうさまでした。

今回は、電気調理器。電気ポットも持ち込まれ充実の装備。
ポットのお湯で作ったカップラーメンは寺内さんからのもの。
ありがとうございました。

田口さんの奥様からは、みかん。
ありがとうございました。
チームナリデンさん
1時間目にハブのトラブルで長時間ピットに。
(1時間目に転倒したTJRTさんからパーツを借りたそうです)
復活後着実に走行を続け、エキスパートクラスでトップに躍り出ます。
軽自動車耐久レースに長くエントリーし続け、耐久の走り方を熟知したレース運びでした。
車は、今回初めて投入したスズキアルト(ナリデン12号車)
製作記など詳細は、ナリデンさんのホームページをご参照ください。
チームABELLさん
同じビギナークラスを走ります。
今回ビギナークラスエントリー6台中生き残ったのは、
AGOBACとABELLさんだけ。

8時間目に足回りを傷めて修理のため長時間ピットイン。
その間にAGOBACは、16周の差をつけました。

ABELLさんは2003年のビギナークラス年間チャンピオンを獲得しました。
おめでとうございます!。
がんばれ!AGOBAC!
とにかく、何もなく帰ってきてくれぇ・・・。

高井さん、スーパー安全走行。
というか、12インチタイヤじゃ危なくてスピード出せないコンディション。
9時間目にして、2位とは16周差。
しかし一度トラブルに見舞われれば一瞬で吹き飛ぶ周回差。
いままでもそうやってレースをフイにしてきた。
井口さんがAGOBACのタイムと、ABELLさんのタイムを両方計測して残り時間で何ラップされる可能性があるかを計算。
結果、この雨天の最悪路面で12インチタイヤで1ラップを2分で走っても残り時間で抜かされる可能性はないことが判明。
しかも最後の2時間は、にっぽ監督と田口さんというエースドライバーの走る時間帯、作戦上ではこの布陣なら十分勝てる可能性が高い。今回の走行順は最良の采配だったということです。
しかししかし、今までのことを考えると・・・・・・。
ますますピットに緊張がはしる!
高井さん→管理人→にっぽ監督へと繋いで、最終ドライバーは田口さん。
みんな慎重に慎重に走りました。
パドック前を通過する田口さん。
タイムを取りながら見守る井口さん。

雨も止んできて、路面も走行ラインは乾いてきた。

ここまでノートラブルで走ってきたのは12台のうちでもごくわずか。
AGOBACはその中の1台になっていました。

何も起きないことを祈るばかり。
でもやるべきことは、思い当たることは全てやった。
人事を尽くして天命を待つばかり・・・・。
のこり5分!!

午前1時にスタートした12時間の耐久レースもあと5分になりました。
まだまだ油断ができない!今年は本当にレースの怖さを思い知らされた1年でした。
だから、あと5分でも気が抜けないのです。
AGOBACメンバーにますます緊張が走ります。
そして、感動のチェッカー!
初優勝です!


ついについにこの日がやってきました。
軽自動車耐久レースに取り組み始めて7年。
KCOCシリーズ本格参戦して4年。

記念すべきチェッカーを、草創期からのレギュラーメンバーの
田口さんが受けました。

レースが終わって・・・・。
レース終了後、入賞車両の再車検。
エアクリーナーを外した状態で係員のチェックを受けます。

いつもならヘッドをバラすんですが、12時間走りきったあとでそれは・・・。と思いながらも工具を持って待機してました。
結局キャブレーター周りをチェックされて終わりました。

入賞チームの代表者が呼ばれて、大会会長、副会長、技術委員長の前で、説明を受ける。お互いに異議の無いことを認めてレースの成績が成立。

ここで、正式にTeamAGOBACの初優勝が確定しました。
表 彰 式
初優勝の表彰式です。

にっぽ監督が受け取ったトロフィーは、大会会長自らが「新日本プロレスのみたいに大きいでしょ」というくらいいつもより大きなトロフィーでした。

そしてゴール後、「今回は12時間で時間も倍だから、優勝したらタイヤも2倍で4本かなぁ・・・・?」って言っていたら期待通りタイヤ4本!。貧乏チームAGOBACには最高の賞品!
来年の活動へのメドがたちました。

12時間走り続けた先にこんな結果が待っていたなんて・・・・。
夢みたいです。
ビギナークラス2位のチームABELLさん
ポットのお湯のお礼にとリポビタンDをくださいました。
AGOBACからは左ロアアームを。
お互いに助け合えるのも耐久レースの良いところ。

AGOBACとともに生き残ったビギナークラスの2台でした。
ABELLさんは、同時に2003年のクラスチャンピオンも決定。

今年度はAGOBACと同じくKCOC全戦エントリーの皆勤賞。
後ほど一緒に皆勤賞の表彰も受けました。

来年からはエキスパートクラスに昇格。

来年も引き続きよろしくお願いします。
エキスパートクラス3位 Na・Ka・Maのみなさん

マイクを握るのは、スポーツランド信州の町田社長。
スポーツランド信州ワークスチームです。

一番右端は、町田社長のお嬢さんの亜矢さん。
ヴィッツレースに参戦しているレーサーです。

町田社長にはいつもいつもお世話になっております。
今回めずらしく準備の良いAGOBACは、はじめて社長に部品をお貸ししました。
今年はトラブルの度にお世話になりありがとうございました。
やっとAGOBACは完走し優勝もできて親孝行が出来たと思ってます。
エキスパートクラス2位の、M.T.ワークスニイガタさん

8時間目にはトップを走っていたのですが、
ナリデンさんにトップを奪取され惜しくも2位。
12時間をコンスタントに走り続けた数少ないチームです。
それだけ12時間は過酷だったということでしょう。

いっぱいチーム員の方ががいてうらやましいです。
エキスパートクラス優勝の、チームナリデンさん

今回初投入のアルトで12時間を走りきり見事優勝を勝ち取りました。
最初の1時間でトラブルに見舞われたものの、高い整備力と耐久を知り尽くした走りで明るくなってからの雨天コンディションの中でも着実にポジションをあげての勝利です。
ナリデンさんのレース展開に耐久レースの真髄を見た感じがします。

参 加 選 手 コ メ ン ト
歴史的な初優勝をおさめたメンバーにコメントをいただきました。
にっぽ監督 : 感謝!

田 口 さん : クルマが12時間もほとんどノートラブルで耐えてくれたのが何よりウレシイ。
          来シーズンのクルマ造りが見えてきたゾッと・・・・・。
          町田社長にパーツ供給(新品のFフィルタ)したこともウレシイ。
          今まで借りてばっかりだったので・・・・。

高 井 さん : 12時間走った先に有った優勝ではありません。
          メンバーの皆と4年以上を費やした先に有った優勝です。
          いったい何時間耐久になることやら・・・・・・・・。

井 口 さん : 10月に行われた学生自動車連盟主催の6時間軽耐久レースOB戦に参加して、
          しっかりこの競技にはまり込んでしまい、この12耐1戦のために年会費を払い
          KCOCの会員になりました。それがナント!参加第1戦目にして優勝してしまいました。
          何と言う幸運!一回で年会費の元を取ってしまった気がします。
          これで引退したら、勝率10割だけど・・・。
          来年は勝率を落とさないよう、メンバ−の皆さんと協力しチームを盛り上げていきたいと考えています。

管理人(沼田): OB会が軽自動車耐久に関わり始めて7年、KCOC本格参戦4年。
          草創期から関わってきた皆さんおめでとうございます。
          ホームページの取材も兼ねて関わることとなり、記念すべき瞬間に立ち会えた事を感謝します。
          走り続けること、そして活動を続けることの難しさと大切さを感じた今シーズンでした。
          

今シーズン、初優勝という絶好の成績で終了することが出来ました。

みんな手弁当、持ち出しで活動を続けてきた
メンバー全員の勝利だと思います。
1年間ありがとうございました。

応援してくださったみなさま誠にありがとうございました。
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